同友会メディカルニュース

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ダイエットサプリメント、抗肥満薬について

 今回は、抗肥満薬やダイエットサプリメントの話題を中心に、つまるところ肥満改善には生活習慣改善が重要であり、サプリメントなどは補助に過ぎない事をご説明したいと思います。

 現在、メタボ改善や内臓脂肪の減少などの効果をうたった(もしくは効果を連想させるような)サプリメントや健康飲料などをたくさん見かけますが、信用できないものも多いのが実情です。一部には内臓脂肪の減少効果で特定保健用食品の認可を受けている物もありますが、減量効果は多くても1〜2kg程度にすぎません。強い減量効果が期待できるものに抗肥満薬があります(病院での処方が必要になります)。現在日本で処方できる抗肥満薬はサノレックスですが、平均で4.2kgの減量効果が証明されています。しかし依存症や副作用などの問題があり、3ヶ月間の処方制限が設けられています。またサノレックスに限った事ではありませんが、生活習慣を改善しない限り薬剤を内服するだけではさほど減量効果は得られません。

 世界では販売されている抗肥満薬が日本でも近い将来販売されると思いますが、最も期待されていた薬剤にリモナバンがあります。米国の研究ですが、JAMAという医学雑誌にその成果が報告されています【JAMA2006;295:761】。

抗肥満薬成果

図をご覧下さい。黒丸が薬剤投与は行わずに生活習慣改善に取り組んだグループです。平均で2〜3kgの減量を達成しています。青色の四角が生活習慣改善に加えてリモナバンという薬を内服したグループです。減量効果が8〜9Kgとなり、減量効果が3倍程増えています。しかしながら、ご覧の様に36週後以降は内服を続けていてもそれ以上は減量していませんし、だからといって内服を中止すれば(緑色の四角)リバウンドします。このリモナバンという薬は非常に抗肥満作用が強く、日本でも販売される予定でしたが、うつや自殺など精神障害の副作用が問題となり、販売中止となりました。

 この事に代表されるように、抗肥満薬は内服しているだけで体重が減り続けるという魔法の薬では決してありませんし、内服を止めればリバウンドする上に副作用が強いものが多いという問題を抱えています。

 また漢方薬の防風通聖散に抗肥満作用があり、様々なメーカーから市販されていますが、効果は実感できるほどではないかもしれません。実際にこれを内服しただけで減量できたとする研究報告はありません。筆者も10年ぐらい前には外来の患者さんによく処方しておりましたが、生活習慣を改善しなくても良いという誤解を与えてしまったのか、ほとんどの方で体重は減少しませんでした。

 以上の様に、抗肥満薬やダイエットサプリメントはあくまで生活習慣の改善と併せて使用することで効果が多少強くなる、いわば“抗肥満アシスト”作用を持っているに過ぎないことを銘記しておくべきです。つまり不健康な生活習慣をサプリメント等で置換する事は出来ないということです。残念ながら“楽(らく)して痩せる”事は出来ないようです。悪い生活習慣をできる所からコツコツと改善していく事が、安全で確実な方法という事になります。

 筆者は、昔は運動嫌い、野菜大嫌い、お菓子大好きが災いして超メタボでしたが、20Kg以上の減量に成功し、リバウンドせずに10年以上キープしております。無理なく少しずつ生活習慣を改善しているうちに、野菜が好きになりましたし、体を動かすのも大好きになりました。自分としてはあまり辛いと思った事はなく“楽(たの)しく痩せた”と思っています。

 あなたもおっくうがらずに出来る所から改善してみませんか?最初はおっくうでもそのうち“楽(たの)しく”なるかもしれません。