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老友ニュース


太っていると、ぼけますぞ!
 

 「健やかな中高年ライフをめざして―メタボリック症候群と認知症の克服―」と題した順天堂大学の公開講座が21日午後、開催された。

 メタボリックって、肥満のこと。そして、肥満と認知症、つまり、ぼけとは無縁のもの。いま持て囃されているもの二つを取り上げて、話すのだろう、と思って出かけてみた。違っていた。メタボリックの延長線上に、認知症がつながっているらしい!

@メタボリック症候群とはどんなものか?
A認知症の予防には何をしたらよいか?
Bなぜ認知症の早期診断は必要なのか?
Cアルツハイマー病治療はどこまで進んでいるか?

以上四つことについて、それぞれおよそ30分話され、あと、1時間が質疑応答に当てられた。

 講師は教授や準教授。冒頭の挨拶で、医学部長が、自分のお父さんやお婆ちゃんに話すように話せ。わからせられなかったら失格、と注文をつけてくれたのも大いに効果があったが、何よりも、質疑応答にたっぷり時間を取ってくれたのがうれしかった。

 この種の催しではたいてい不満が残り、腹が立つことも少なくないのだが、今回は大満足だった。 役立ちそうなことを、急遽、手持ちの紙にメモを取った。もの忘れしないうちに、思い起こし、箇条書き的に整理してみよう。

若者は読むべからず!

 その前に、メタボリックは認知症になるぞ、という脅し(!)だが、そもそも「メタボリック」を「肥満」と直訳はできないらしい。同じ「太りすぎ」でも、いろいろ異質のものを内蔵しているのだ。内臓肥満とか皮下脂肪とか、りんご型とか洋ナシ型とか、聞いているうちは十分理解できたが、私たちは、要するに、太りすぎていたら、そのうち、ぼけるかも知れないよ、と銘記しておいて差し支えなさそうだ。

 アルツハイマー病治療はどこまで進んでいるか? そんなことは、お医者さんにまかせておこう。学んでいる時間も残されていないし、第一、われわれが知っても仕方のないことヨ。

 なぜ認知症の早期診断は必要なのか? ぼけたらおしまい、ではなくて、治せる認知症もあるのだそうだ。たとえ、ぼけ始めていても、進行を遅らせる薬剤もあるという。認知症は、とても緩慢な病い、悲観的になるなと、ありがたいお言葉だった。

治療法など、知る必要はないが、早期診断のために、血液検査でわかるタイプもあるんだって!

人生をエンジョイしている生活を!

 さて、いよいよ、認知症の予防には何をしたらよいか?

  • 認知症に関わるのは
    @加齢 A性 B遺伝 C環境 D生活習慣
    年を取ると、ぼけて来るのは当たり前のこと。認知症は女性に多いが、男女の別は選択できない。
  • 遺伝は大きな要素ではないが、兄弟5人のうち、2人が認知症なら、一応、外来へ。兄弟とか、横の関わりより、両親から祖父母へと、世代を重ねて、認知症があるようだと、考慮に入れた方がよい。
  • ぼけるのは環境か、自己責任か! 性格としては、認知症になりやすいのは熱中型。社交的な人はなりにくい。
  • 大地震を体験して、それが引き金になって、認知症になるとは考えられないが、人によって、うつ病になって、認知症に発展することはあるかも知れない。
  • 独り暮らしの場合。自分で、ちょっとでもヘンかなと思ったら、認知症外来へ。
  • 軽度認知障害というのもある。自分の能力の低下を自覚して、みずから外来へやって来る人が増えている。
  • 健康保険の対象になる。
  • さあ、認知症予防のカギとなる生活習慣の改善だ。認知症を予防するためには
    @脳の活性化 A身体運動 B食生活
    の3項目がポイントになる。
  • 脳の活性化には、昔ながらの、読み・書き・そろばん。計算することは、ぼけを防ぐ。
    それに、話すこと。コミュニケーションを図ることが肝要なのだ(目が見えず、耳も聞こえず、指点字で生きている福島智・東大教授も、翌22日に、NHKテレビ「課外授業」に出演し、ヘレンケラーのような状態で生きていく上で、一番必要なのは何かと問われて、「コミュニケーション」と答えていた)。
  • いま、さかんにCMを行なっている“脳トレーニング”にお金を払うのは無駄遣い。脳の活性化にはならない。
  • 本人が興味を持って、楽しく取り組むこと。配偶者や子どもから強いられて嫌々やっても効果はない。
  • ストレスマネジメントにも注意。
  • 運動には、ストレッチ、エアロビクス、パワーアップとあるが、認知症予防のための適度の運動とは、ストレッチ、エアロビクス(乳酸閾値を超えない健康スポーツ)まで。心拍数が、1分間に120までが目安。競技スポーツではない。
  • パワーアップも、少しは必要だが、階段を上がったり下がったりする程度でよい。ラジオ体操がおすすめ。ジャンプはせず、足踏みを。
  • 食生活は、青魚(不飽和脂肪酸に富む)、緑黄色野菜(抗酸化作用のあるビタミンやポリフェノールを含む)の摂取を中心とした食事。赤いトマトもおすすめで、イタリアには「青いトマトは国を滅ぼす」という格言があるそうだ。
    それから、ゴマ、ネギにホウレン草。ポパイはぼけなかったか。ブルートによく頭を叩かれていたから、たぶん、ぼけていただろう(と笑わせる)。
    脳の外傷は認知症の重大な原因なのだ。
  • 食生活は、日本食を心がけたい。お茶も、日本茶を。
  • サプリメント(補助栄養剤)は、認知症予防には効果を期待できない。逆に、たとえば、ビタミンの過剰摂取は前立腺の障害を起こすこともある。
  • バランスのよい食事で! もうひとつ、格言的心得をいえば、地道に!
  • 歯槽膿漏も、認知症の引き金になる。歯槽膿漏→炎症→糖尿病→認知症という悪いサイクルが存在するのだ。歯の手入れを忘れないように。夕食のあとは、歯を磨こう。
  • 結論として、いい生活とは? ひと言でいえば「人生をエンジョイしている生活」。老いらくの恋も悪くない。ボランティアもいい。人のために役立っているという意識は、何よりも、いい気分になれる。
  • 閉じこもらないで、積極的な生活を。

 以上、こんな知恵がついた。みなさんにも役に立つはずだ。やっぱり、どこへでも出かけてみるものですね。

(6月24日)