① 産業医とは
産業医が主に行う業務
1. 健康管理
定期健診フォロー
- 健診結果に基づく要フォロー者の抽出
- 面談実施と紹介状発行
- 就業措置のための意見書作成
長時間労働者フォロー
- 長時間労働者への面接指導
- 就業措置のための意見書作成
メンタルヘルス関連
- 高リスク者に対する面談実施
- 休職者に対する復職面談の実施とフォロー
2. 安全衛生管理
3. 衛生教育
- 健康セミナー(健診の必要性、熱中症予防、インフルエンザなど)
産業医の職務(労働安全衛生規則 第14条 法第13条第1項の厚生労働省令で定める事項は、次の事項で医学に関する専門的知識を必要とするものとする。)
- 健康診断の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
- 法第六十六条の八第一項 に規定する面接指導及び法第六十六条の九 に規定する必要な措置の実施並びにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
- 法第六十六条の十第一項 に規定する心理的な負担の程度を把握するための検査の実施並びに同条第三項 に規定する面接指導の実施及びその結果に基づく労 働者の健康を保持するための措置に関すること。
- 作業環境の維持管理に関すること。
- 作業の管理に関すること。
- 前各号に掲げるもののほか、労働者の健康管理に関すること。
- 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
- 衛生教育に関すること。
- 労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること項(ストレス対策、関連疾患のケアに関する助言・指導。)
産業医と一般的な医師の違い
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産業医 |
一般的な医師(病院や診療所で働く医師) |
契約者 |
・事業所 |
・個人(患者) |
対象者 |
・従業員 |
・病気やケガをした人(その疑いのある人を含む) |
業務の内容 |
・職場環境や健康管理全般に関する指導と助言 ・従業員の就労可否に関する診断 |
・検査、診断、治療 |
目的 |
・職場の安全衛生の維持と改善 ・組織のパフォーマンスの最大化 |
・患者の治療 |
産業医になるための要件
② 選任を要する事業所
従業員が50人以上※1の事業所には、
産業医の選任と労働基準監督署への報告※2が義務付け
られています。
※常時使用する従業員が50名以上(事業所単位での人数です。なお、パートタイマーや嘱託社員、請負で働いている人を含みます。)
:当会にて対応可能な範囲
事業場の規模 |
産業医 専任義務 |
必要な産業医数 |
備考 |
嘱託※3 |
専属※3 |
50人未満 |
なし |
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50人未満の事業場においても「医師等に、労働者の健康管理等の全部又は一部を行わせるように努めなければならない」とされています。(努力義務) |
50~499人 |
あり |
1名 |
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500~999人 |
あり |
1名 (嘱託または専属) |
1名 (嘱託または専属) |
500~999人の事業場では、安衛則第13条第1項第2号に定める有害な業務※4を取り扱う場合に限り、専属産業医の選任が必要です。 |
1,000~3,000人 |
あり |
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1名 |
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3,001人以上 |
あり |
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2名 |
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- ※1 事業場の規模における従業員の数え方(昭和47年9月1日基発602号)
- 平均的な状況の事業運営状況において、パートタイマーや自社で雇用していない請負等の臨時の労働者を含めて、実際に働いている労働者の人数
- ※2 産業医の選任と労基署への報告
- 常時50人以上の労働者を使用するに至った場合/産業医に欠員が出た場合 → 14日以内に産業医を選任し遅滞なく所轄労働基準監督署長に届け出る義務があります。
- ※3 専属産業医と嘱託産業医
-
専属産業医:その事業所のみに属している産業医(常勤)。
嘱託産業医:非常勤として2ヶ月または1ヶ月に1回以上の頻度で事業場を訪問して業務を行う産業医。
- ※4 安衛則第13条第1項第2号に定める有害な業務
-
- イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
- ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
- ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務
- ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
- ホ 異常気圧下における業務
- ヘ さく岩機、鋲(びよう)打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務
- ト 重量物の取扱い等重激な業務
- チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
- リ 坑内における業務
- ヌ 深夜業を含む業務
- ル 水銀、砒(ひ)素、黄りん、弗(ふつ)化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務
- ヲ 鉛、水銀、クロム、砒(ひ)素、黄りん、弗(ふつ)化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン
その他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
- ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務
- カ その他厚生労働大臣が定める業務
③ 健康診断と産業医の職務