日曜日など休み明け前日の夕方から夜になると、学校や会社に行きたくない、何となく憂鬱な気持ちになることは少なくありません。
ちょうどサザエさんが始まる時刻と重なることから、“サザエさん症候群”(医学的な病名ではありません)と呼ばれています。
この様なことは、”サンデーナイトブルー“、”ブルーマンデー症候群“などの言葉があり、我が国だけでなく世界中で起こる現象です。
サザエさん症候群は、憂鬱な気分や不安など心理的な症状だけでなく、吐き気、胃の痛み、倦怠感といった身体の症状、不眠など多岐にわたっています。
ところで、これらの症状は、鬱病の初期症状にとても似ています。
しかし、サザエさん症候群は日曜日や休み明け前日などに症状が起こり、ウイークデーは殆ど発現しないのに対して、鬱病では慢性的に症状が続くことが相違点です。
さて、サザエさん症候群は、常に学校や職場に不満を持ちストレスが生じていることが主な原因となっています。
そのほか、趣味がなくストレスの発散が出来ないことや、睡眠や食事など生活のリズムが整っていないことも発症に関係します。
また、まじめで責任感が強い、周囲に相談出来る人がいない、人生が充実していないと感じている人などもなりやすいと言われています。
そのため、サザエさん症候群の対処法としては、ストレスの原因を知りストレスと上手く付き合う、趣味を持ちプライベートを充実させる、生活のリズムを整える、家族や友人と会話をすることなどが大切です。
また、日曜日など休日明け前日の過ごし方も非常に重要です。
日中だらだらして何もしないで夕方を迎えることは最悪な生活パターンです。
先ずウイークデーと同じ時刻に起きて決して朝寝坊をしないことが基本です。
また、日中は積極的に外出して陽の光を浴びること、スポーツなどで身体を動かすこと、食事をきちんと摂ること、趣味の時間を楽しむことも大切です。
なお、寝だめは効果がなく日曜日の朝寝坊は翌週前半の体調不良の原因にもなります。
そのため、普段寝不足や疲れが溜まっている人は土曜日に睡眠時間を長く取り、外出などを控え、体力の回復に努めるようにしましょう。
また、年末年始、夏休み、連休などの長期休暇明け前日は症状が酷くなりがちです。
そのため、長い休みが明ける前日の過ごし方は特に注意が必要です。
こころも身体もリフレッシュして新しい週を迎えるようにしたいものです。
産業医 佐藤 潤一