コラム

乾燥は健康の大敵、乾き過ぎに注意が必要です

乾燥は健康の大敵、乾き過ぎに注意が必要です

冬は一般的に湿度が低く乾燥しやすい傾向にあります。東京では1,2月が最も低く平均湿度は51-52%であり、最小湿度が9%まで下がった記録もあります。さらに最近では暖房や建物の密閉性高まったことなどの影響で、何も対策を行わないと室内の湿度が20-30%まで低くなってしまうこともあります。

湿度は健康に影響を与えます。湿度が低く乾燥した環境では呼吸器系、皮膚、目などに障害を起こします。

鼻から喉まで続く粘膜は繊毛(せんもう)と呼ばれる非常に細い毛のような細胞で覆われています。繊毛は小刻みに動き鼻や口から侵入した細菌やウイルスが身体の奥に入ることをブロックしています。しかし、乾燥すると繊毛運動が低下し病原体やアレルゲン(アレルギーを起こす物質)の侵入を許してしまいます。その結果、風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症を引き起こす、喘息やアレルギー症状を悪化させるなどの健康障害に繋がります。

皮膚は一番外側にある角質層で、水分を保ち異物の侵入を防ぐバリア機能を持っています。しかし、乾燥によって角質層がはがれると、バリア機能が低下してアレルゲンや刺激物質が侵入しやすくなり痒み、湿疹、皮膚炎、唇の荒れやひび割れなどを起こします。

乾燥により目の表面の水分が奪われるとドライアイが発症し目の痛み、痒み、視力の低下などの症状が起こります。

さらに、湿度が低いと身体から水分を奪いますので、水分補給が不足するとむくみや血液循環が悪くなるほか、血栓が出来やすくなり心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高くなります。

湿度が40%以下になると鼻や喉の粘膜の防御機能が低下し、30%以下の過乾燥状態になると防御機能が極端に弱まり免疫が低下すると言われています。そのため、室内の湿度を40%以上、出来れば50%前後に保つことが健康のために大切です。加湿器、加湿機能のある空気清浄機、加湿グッズを使用すること、洗濯物や濡れたタオルなどを部屋干しすることも効果的です。また、マスクは鼻や喉の粘膜を湿らせるほか細菌やウイルスの侵入を防ぐ効果もありますので人ごみに出る時は必ず使用するようにしましょう。

保湿剤やリップクリームなどをこまめに使い皮膚や唇を乾燥させないこと、ドライアイ対策の点眼薬を用いることも効果的です。

冬は汗をかきにくく、寒さにより尿意を催しやすいことで水分を飲むことを控えがちです。しかし、脱水を防ぐことはとても重要ですので意識的に水分摂取を心がけましょう。

乾燥対策をしっかり行い健康で春を迎えましょう。

産業医 佐藤 潤一

コラム一覧