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歯科検診を受けましょう

歯科検診を受けましょう

かつては6(む)と4(し)の語呂合わせから6月4日は“虫歯予防デー”と呼ばれていましたが、現在は“歯と口の健康週間”となり、歯と口の健康に関する知識の普及や歯科疾患の予防、早期発見、早期治療を徹底させ歯の寿命を延ばすとともに健康保持増進に努めるためのさまざまなイベントが全国で行われます。

わが国では歯の欠損(歯を失うこと)の原因は歯周病が最も多く、次いでう歯(虫歯)、外傷や事故の順です。歯周病は歯垢と呼ばれる細菌により起こりますが、歯や歯茎(歯肉)に障害が起こるだけでなく糖尿病を悪化させる、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳梗塞などの生活習慣病との関連が強いことも明らかとなっています。そのため歯周病の予防、早期発見・治療することは単に歯と歯茎だけの問題ではなく、健康寿命を延ばすことや医療費の抑制など国全体に係わる極めて大きな問題となっています。

歯周病やう歯の予防には、痛みなどの症状が出る前に早期発見・治療を行うことが必要です。歯科治療で削った歯は再生せず人工物で補うことになります。どんなに最先端な治療を行っても自分の健康な歯に勝るものはありません。自分の歯が20本以上あれば食生活はほぼ満足に出来ると言われています。そのため厚生労働省と日本歯科医師会が80歳になっても自分の歯が20本以上残るような施策(8020運動)を1989年から進めています。その効果が現れ80歳で自分の歯が20本以上ある方の割合は2016年で51.2%、2024年で61.5%と増加傾向にあります。しかし80歳での平残存歯数は15-16本で、スウェーデンなど予防歯科の先進国の25本とは大きな隔たりがあります。

日本の歯科治療は非常にレベルが高いと言われているのにも関わらず、残存歯数にこのような違いがあるのは定期的な歯科検診受診率の差が原因であると推察されます。歯科検診受診率はスウェーデンで80%以上であり、その他の欧米諸国でも70%前後であるのに比べ我が国の受診率は53%程度に留まっています。

現在、1歳半と3歳の幼児、そして高校3年生までは全学年歯科検診の受診が定められています。しかし、それ以降は有害物質を定期的に扱う業務に携わっている人以外は歯科検診受診の義務はありません。政府は2022年度の骨太の方針で国民全員が歯科検診を受けられるようにする制度の検討が発表されました。遠くない将来に自治体や企業による歯科検診の実施が予測されますが、現時点では具体的な動きはありません。そのため、自ら歯科を受診して検診を受けることは歯周病やう歯の予防や早期発見・早期治療だけでなく、生活習慣病のリスクを低下させることなどにも繋がります。

“歯と口の健康週間”をきっかけとして痛みなどの症状がなくても歯科検診を受診するようにしましょう。

産業医 佐藤 潤一

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