栄養士連載 食事プラスワン

第26回 食事のバランスを整えよう

体重測定と1日10分のウォーキングを実践中のヒトシさん(38歳)が、再来院しました。

ヒトシさん、その後いかがですか?

栄養士

ヒトシさん(38歳)

体重測定は、毎朝のルーティンになりました。
1日10分のウォーキングも慣れてきて、気付くと10分以上経っていることもありますよ。
気分転換になって始めてよかったと思っています!

体重測定とウォーキング、継続しているのですね!
息が弾み汗をかく程度の運動を、30分以上・週2回以上行うことが
推奨されてるのでウォーキングの時間を少しづつ長くできると良いですね。

栄養士

ヒトシさん(38歳)

お酒を飲んだり、夕食を食べ過ぎてしまった翌朝は体重が増えますね~
ハッとして、その後意識するうちに体重が戻るの繰り返しで体重を維持している状態でしたが最近は飲みすぎ・食べ過ぎに注意することで、体重は安定しています。

素晴らしいです!!
行動だけでなく、意識も変化していますね。

栄養士

ヒトシさん(38歳)

食べるものによって体重が変動することが分かり今は、食事の改善に興味が出てきました。
できるなら、コロナ太り前の体重に戻したいな~

減量にとても前向きですね!
では、ヒトシさんの普段の食生活を振り返ってみましょう

栄養士

ヒトシさん(38歳)

こんな食事内容が多いかな~

ヒトシさんの食事内容

ヒトシさん(38歳)

夜食を食べてしまったり、飲みすぎた翌日以降は夕食時のご飯を抜いて調整しています。

そうですか。
ヒトシさんの食事での摂取カロリーは以下と考えられます。

栄養士

摂取カロリー

年齢と身体活動レベルを踏まえ、日本人の食事摂取基準(2020年版)で推定エネルギー必要量を確認してみましょう
ヒトシさんは現在38歳、テレワークにより静的な活動が中心であるため身体活動レベルはⅠに該当します。

栄養士
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」

表6 身体活動レベル別に見た活動内容と活動時間の代表例
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf#page=83

参考表2 推定エネルギー必要量(kcal/日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf#page=91

表より、1日の推定エネルギー必要量は2300kcalということが分かります。
普段の食事で摂取しているカロリーとの差は約660~1530kcal(夜食を摂る場合は1880kcal)もあり食事でカロリーを過剰に摂取していることが分かりますね。

栄養士

ヒトシさん(38歳)

えええ!そんなにカロリーオーバーしていたなんて…
ごはん(白米)を抜いたときは焼く2370kcalだけど、炭水化物を食べないと物足りないんだよな~

そうですよね。
炭水化物は、三大栄養素のひとつで体に欠かせないものです。
摂取カロリーを抑えることも減量のポイントですが、食事のバランスを整えることも忘れてはいけません。

栄養士

ヒトシさん(38歳)

食事のバランスか~
つまり、野菜をいまより多く食べるということ・・・?

そうですね。ヒトシさんの食事内容ですと、野菜は足りていないため
今より多く野菜を食べる事も、食事のバランスを整えるためにとても重要です。

食事のバランスを整える基本は《主食》《主菜》《副菜》の3つを毎食そろえることです。

栄養士

《主食》《主菜》《副菜》の3つ

また「健康日本21」より、望ましい野菜摂取量は1日350g以上(うち緑黄色野菜は120g以上)とされています。
350gがどれくらいの量かピンときませんよね?
小鉢(1皿70g)で考えると、1日5皿食べると必要量が摂取出来ます。

栄養士

野菜

ヒトシさん(38歳)

なるほど!!
《主食》《主菜》《副菜》の3つをそろえる・・・
食事を振り返ってみると、朝食と昼食は《主菜》と《副菜》がなくてバランスが悪いですね。

おっしゃる通りです!!
朝は乳製品の摂取習慣があり望ましいですが、主菜と副菜は
そろっていません。
昼のラーメン+チャーハンは主食が重なるメニューで、主食と副菜は
そろわずカレーライスなど丼ものでは、副菜が足りていません。

栄養士

ヒトシさん(38歳)

ごはん(白米)やめん類がすきで、たくさん食べてしまいますが、主食だけではなく《主菜》《副菜》を意識してそろえたいと思います。
けど、具体的にどうやってそろえていけばよいですか?

たとえば

栄養士

《主菜》《副菜》の改善

朝食時の改善は、目玉焼きなど卵料理やソーセージなどで主菜を、ミネストローネなどで副菜をプラス昼食時の改善は、タンメン風にお肉や野菜・キノコ類を炒めたものをラーメンにのせたり、別皿でたべるのも良いですね!
カレーライスの時は、サラダや野菜スープで副菜を追加しましょう。

お店でラーメンを食べる際は、タンメンや五目麺を選ぶほかに、煮卵やチャーシューを追加することで主食をプラスわかめやもやしなどもトッピングして副菜を加えることで、バランスを整えることが出来ます。

栄養士

トッピング

ヒトシさん(38歳)

改善のイメージがわいてきました!
副菜は毎食1~2皿追加することで、摂取量増やせそうですね!
350gって言われると良く分からないけど、1日小皿5つなら意識出来そうな気がします!

《主食》《主菜》《副菜》をそろえることで食事のバランスも整い
彩りもよくなるので、食事の時間を楽しんでくだい!

栄養士

コラム

週2日以上、1回30分以上の運動

健康づくりのための身体活動基準2013では、18~64歳(健診結果が基準範囲内)の身体活動基準として1回30分以上の3メッツ以上の強度の運動を週2日以上行うこととしています。

3メッツ以上の強度の運動とは、息が弾み汗をかく程度の運動のことをいいます。

3メッツ以上の強度の運動

身体活動量が増えることで、糖尿病や循環器疾患に加えがんやロコモティブシンドローム、認知症のリスクを低減できることが分かっています。

また減量をする際、食事制限だけでなく運動もすることで筋力アップに繋がり基礎代謝が上がるため、リバウンドを防ぐことができます。
運動習慣を身に着け、QOL(Quality Of Life 生活の質)の維持・向上に努めましょう!

注意
特に治療中の方は、食事量、調理方法など、必ず担当の医師や栄養士に確認し、指示に従ってください。

栄養バランスのよい食事とは

同友会メディカルニュース / 医療と健康(老友新聞)

同友会メディカルニュース

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