同友会メディカルニュース

2021年7月号
紹介状には何が書いてある?

はじめに

同友会に勤務する医師の日常的な仕事のひとつに紹介状の作成があります。医師から紹介状を受け取ったことはありますでしょうか?紹介状を受け取ったことがあっても、封がされているので読んだことはない方がほとんどだと思います。今回はとても重要な紹介状についてご紹介します。

紹介状には何が書いてある?

紹介状について

紹介状とは、「こういう患者さんがいらっしゃいますので診察をお願いします」と医師から医師へ依頼するときに作成するお手紙のことです。大学病院のようにたくさんの科がある大きな病院では、同じ病院内でA科の医師がB科の医師に診察を依頼するために作成することもありますが、一般的には他の医療機関の医師に向けて作成するもので、保険請求上の正式名称は「診療情報提供書」です。

当会で発行する紹介状の主な目的は

  1. 血液検査、レントゲン検査、超音波検査、内視鏡検査等で異常が見つかり、より詳しく調べてもらうために専門的な医療機関に診察を依頼する
  2. 高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病が見つかり、継続的に治療を行う必要があるためご自宅近くのクリニックに治療を依頼する
  3. 当会の外来に通院されている患者さんが他院の医師のセカンドオピニオンを希望されたり、転居等で通院先の変更を希望されたときに診察を依頼する

のいずれかで、もっとも多いのは1になります。

気になる紹介状の中身ですが、大まかには以下のような内容のうち必要な情報が書かれています。

  • 患者さんの基本情報(名前、性別、年齢、住所、職業等)
  • 今までかかったことのある病気、現在治療中の病気、家族の病気、アレルギーの有無
  • 疑われる病名
  • これまでの経緯(いつからどんな自覚症状があったか、当院でどんな検査を受けて結果はどうだったか、処置や薬の処方を行ったか等)
  • そのほか参考となる情報(授乳中、採血の時に倒れやすい、閉所恐怖症がある等)。

さらに検査データや画像データも添付することがあります。

余談ですが、以前は紹介状が手書きだったため、医師の個性がかなり出ていました。達筆過ぎて読めない文面や、非常に小さい文字でびっしり書かれている文面、逆に1~2行しか書いておらずほとんど内容がない文面、ドイツ語で書かれた文面もありましたが、パソコンが普及してからは少なくとも解読に時間を取られることはなくなりました。そして「侍史」「机下」「拝」といった伝統的な表現が根強く残っている独特の文化があります。

また、逆紹介というものもあります。大きな病院に紹介して精密検査や手術等を終えた患者さんが、「今後はかかりつけである貴院で治療・検査をお願いします」という紹介状を持って紹介元の医療機関に帰ってくることを指します。

紹介状が無いとどうなる?

実は大学病院のような大きな病院でも、ほとんどは紹介状なしで受診することは可能です。ただし紹介状なしで大病院を受診すると「選定療養費」という費用が発生してしまいます(例:東大病院11000円、順天堂医院8250円、虎ノ門病院5500円、がん研有明病院5500円、都立駒込病院1300円。2021年6月時点)。これは医療機関を能力・機能別に分けて、町のクリニックで充分に治療可能な患者さんまで大病院に殺到してパンクし、精密検査や高度な治療を本当に必要とする患者さんがスムーズに受診できなくなることを防ぐために厚生労働省が定めています。

また、紹介状がないと適切な治療にたどり着くまでのヒントなしで診察を始めることになり、検査を一からやり直すことになって無駄な時間や苦痛や医療費がかかってしまいますが、紹介状があれば重複する検査や治療を省略することもできます。さらに、紹介状を受け取った医療機関は、精密検査や治療が終わると紹介元へ結果を報告するので、お互いが情報共有することができます。

こういったメリットがありますので、なるべく紹介状を持参して病院を受診するようにしてください。

紹介状の依頼はご遠慮なく

紹介状の作成を主治医になかなか言い出せない患者さんがたまにいらっしゃいます。「私の治療方針に文句があるならもう2度と受診しなくていい!」と言われるのではないかと恐れているようです。昔はこのようなプライドが高くて高圧的な医師もいましたが、最近は激減しました。というのも医療が高度化・専門化しており、「広く浅く」や「狭く深く」は可能でも「広く深く」は困難であるため、自分の得意とする分野以外のことはその専門家の意見を聞いたほうがより良い医療を提供できるという考え方が一般的になってきているからです。遠慮なく紹介状の作成を依頼しましょう。もし受診したい病院がありましたらその病院宛てに紹介状を作成しますので、おっしゃってください。

ただし中身の充実した紹介状の作成には時間がかかりますので、特に混雑時は今すぐ欲しいと希望されても対応できませんのでご了承ください。

おわりに

医療機関同士の連携をスムーズにする紹介状。その役割と内容についてご理解いただけましたでしょうか。より良い医療を受けていただくために、ぜひ活用していただければ幸いです。

同友会からのご案内

同友会メディカルニュース / 医療と健康(老友新聞)

同友会メディカルニュース

食事プラスワン

栄養士コラム

第36回
中性脂肪改善のためには・・・NEW
第35回
食物繊維
第34回
夏に気を付けたい食中毒
第33回
肝臓を守る習慣
第32回
乳製品とLDLコレステロール
第31回
中食や外食の活用【コンビニ・スーパー】
第30回
休肝日を作ろう
第29回
熱中症に要注意
第28回
間食を見直そう
第27回
食べ物の消化時間
第26回
食事のバランスを整えよう
第25回
体重を測ろう
第24回
免疫力を高める
第23回
朝食をとろう
第22回
1日の目標塩分摂取量
第21回
上手な鉄分の摂り方
第20回
カラダに良い油・悪い油
第19回
歯の定期健診も受けていますか?
第18回
食事バランス
第17回
運動でカロリーを減らすには
第16回
関節の痛みには・・・
第15回
骨を丈夫に!
第14回
ごはんを適量食べる!
第13回
野菜プラスキャンペーン開始!
第12回
「お豆腐」食べ過ぎ注意報!
第11回
表示をよく見て、飲もう!
第10回
おでんの選び方。
第9回
くだものも、適量を食べる!
第8回
牛乳はどのくらい飲んでいますか。
第7回
早食いも、食事バランスも改善!
第6回
夜遅い食事が気になる人へ
第5回
お酒が気になる人へ
第4回
菓子パンの食事を改善!
第3回
アブラ料理もおいしく食べる!
第2回
おつまみ選びの達人に!
第1回
めんの時もバランスよく!

小石川の健康散歩道

保健師コラム

第52回
暑い日の一杯、飲み方を工夫して健康に!NEW
第51回
疲れた時こそ注意!帯状疱疹から体を守るために
第50回
花粉症を乗り切るために
第49回
光と睡眠の関係 ~季節の変わり目こそ、光の整え方がカギ~
第48回
夏の疲れを秋に持ち越さない! ~いまから始めるリカバリー習慣~
第47回
「朝食の効果」~まずは1品から始めてみませんか~
第46回
ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)を知っていますか?
第45回
なりたい自分の第一歩、考えてみませんか?
第44回
がん検診の受診はお済みでしょうか?
第43回
「座り過ぎ」に要注意!   ~毎日コツコツ、病気予防~
第42回
味噌汁は健康づくりの救世主?!~味噌汁の塩分量と栄養素どっちをとる?~
第41回
食べる・育てる・観る ガーデニングの良いところ
第40回
推しの力!
第39回
炭酸飲料?お茶?あなたは何を飲みますか?
第38回
気になる喉の乾燥の防ぎ方
第37回
香りやにおい、マスク着用の日々だからこそ、意識してみませんか。
第36回
こころを整える 〜リフレーミングをとりいれて〜
第35回
パンダと一緒に健康に!?
第34回
好きな香りはありますか?
第33回
快眠のための寝具について
第32回
マスクと肌トラブル
第31回
腸内環境を整えよう~腸活のススメ~
第30回
手洗い・消毒後は、保湿をセットで手荒れを予防
第29回
心を満たす食卓が鍵
第28回
『コロナ太り』を解消!要因を知って具体的な対策に
第27回
外出自粛期間を乗り切るコツ 運動編
第26回
飛行機内の湿度は砂漠よりも低い?!
第25回
「お料理」のススメ
第24回
階段利用で歩数UP・プチ筋トレ♪
第23回
釣って食べる!海釣りのオススメ~船酔い(乗り物)酔い対策編~
第22回
素敵な和菓子
第21回
『デンタルケアから始める健康管理』
第20回
『気にしていますか? 夜間熱中症』
第19回
本当の血圧はどれくらい? ‐意外と知らない血圧上昇の原因‐
第18回
五感を働かせ、楽しみながらの英語習得!認知症予防にも効果的!?
第17回
「素敵な靴は、素敵な場所に連れて行ってくれる」って本当?!
第16回
今、スポーツ観戦がアツイ!
第15回
釣って食べる!海釣りのオススメ ~運動編~
第14回
太鼓に感動!
第13回
運動前の糖質摂取―大事なのは種類とタイミング―
第12回
体質は遺伝する、習慣は伝染する。
第11回
新生活を迎える時ほど大切に!家族・身近な相手とのコミュニケーション
第10回
もっと気軽に健康相談♪
第9回
食材で季節を感じてみませんか?
第8回
夏の日差しを楽しむために
第7回
休日は緑を求めて…
第6回
お風呂好きは日本人だけ?
第5回
気分の高揚を求めて
第4回
みなさん、趣味はありますか?
第3回
休み明けの朝だってすっきりさわやか、そんな生活への...
第2回
忙しい日々こそ、1日をふりかえること。
第1回
少しの工夫で散歩が変わる!

お元気ですか

季刊誌 お元気ですか

2026年10月号
  • 私の健康法
    歌手 由紀さおりさん
  • 侮れない貧血~鉄欠乏性貧血を中心に~
    国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 血液内科 三ツ木 崇
  • 楽しく過ごす、会食対策
  • 腹囲引き締め筋力トレーニング その6
  • 健康を支える筋力づくり
  • 春日クリニックで受診する ハイグレードな検査のご案内

ページトップ