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同友会メディカルニュース

2010年10月号
NEAT(非運動性活動熱発生)をご存知ですか?
座っている時間を短くすることが健康の秘訣かもしれません

以前(2009年12月号)に定期的な運動習慣をつける事が健康を保つのに重要である事をお話し致しました。よく効果的な運動の方法を教えて欲しいという意見も頂戴しますが、理想的な運動習慣であっても続かなければあまり意義がありません。継続こそ力なりです。継続のコツは必ずしも理想的な内容をやる事ではなく、できる事・続けられそうな事・楽しい事に取り組む事だと思います。

さて今回は運動によらない身体活動のエネルギー消費であるNEAT(Non-Exercise Activity Thermogenesis)に関する話です。身体活動にはスポーツやジョギングなどの運動と、家事や通勤時の歩行などの日常生活活動とに分けられます。NEATは日常生活活動にほぼ相当します。

身体活動

現代人は運動不足に陥っていますが、これはNEATの減少が大きな原因と考えられています。科学が進歩し生活が便利になったがために、現代人は日常生活で動かなくなってしまったのです。そしてNEATの減少は肥満の原因にもなっています。ある研究では、肥満の方ほど座っている時間が長い事が報告されています(*1)。

図に示しましたように、肥満の方は座っている時間が1日あたり571分、立っている・動いている時間が1日あたり373分である一方で、肥満でない方は座っている時間が1日あたり407分で150分以上も座っている時間が短い事が報告されています。長い座位時間の主原因となるのがテレビですが、テレビの視聴時間が長いと死亡率が高くなる事も報告されています(*2)。

1日のテレビ視聴時間が2時間未満の方と比較して、4時間以上の方では早期死亡(壮年期・中年期に亡くなる)の危険性が1.67倍、特に心筋梗塞や脳卒中に関しては2.12倍も高くなる事が報告されています。

肥満の方とそうでない方とではNEATの量に大きな差があります

現代人の健康問題としてNEATの減少が主な原因の一つであるならば、NEATを増やせば肥満が防止できたり、健康寿命が延びたりするのではないかと期待されるわけですが、それを示した研究結果をいくつか紹介したいと思います。

米国ノースカロライナ州での研究(*3)ですが、通勤に自動車ではなく路面電車を利用するようになった方では、12~18ヵ月後に体重が平均約3.4Kg減少(身長が170cmの場合)していました。路面電車を利用する事でNEATが増えた事が減量につながったと考えられます。次に健康寿命を延ばすのに、NEATを増やす事が効果的である事を示した研究を2つ紹介いたします。

まず、米国での14年間にわたる観察研究(*4)ですが、余暇の時間に座っている時間が短い方(1日3時間未満)では長い方(1日6時間以上)に比べて死亡率が低く、身体活動による消費カロリーが同じであっても、女性で約27%、男性で約15%死亡率が低かったと報告しています。次に、日本人を対象とした研究(*5)ですが、表をご覧下さい。運動に該当するスポーツをする時間が多い方は、ほとんどない方に比べて脳卒中や心筋梗塞などで亡くなる危険性が少なくなり、定期的な運動が大事である事が改めて証明されていますが、今回注目して頂きたいのは、NEATに該当する歩行時間の結果です。歩行時間が1時間以上の方は30分未満の方に比べて、38%も脳卒中や心筋梗塞で亡くなる危険性が少ないという結果でした。

1日の平均歩行時間と心血管疾患死亡リスク
30分未満 30分程度 1時間未満 1時間以上
基準 26%減少 37%減少 38%減少
1週間の平均スポーツ時間と心血管疾患死亡リスク
ほとんどなし 1~2時間 3~4時間 5時間以上
基準 7%減少 18%減少 32%減少

このように定期的な運動ももちろん大事で、積極的に行って頂きたいのですが、NEATを増やす事も健康のためにとても重要である事がご理解頂けたでしょうか。“NEATを増やす=座っている時間を短くする”です。

“座るより立つ。さらに歩く”という事を意識して頂ければ、自然とNEATは増えます。例えばテレビは、一般的には座って見ますが、立って見るようにしてみてはいかがでしょうか。さらに足踏みしながら見るようにすればもっと効果的でしょう。また月並みではありますが歩数計や活動量計をつけて日々記録(手帳でもいいですしコンピュータに記録するのもいいでしょう)する事もお勧めです。歩数などを意識する事で自然と歩行時間が増えます。筆者も3年以上前から毎日の歩数などを記録しています。

参考文献

  • *1 Ravussin E. A NEAT way to control weight?. Science 2005;307:530-531
  • *2 Dunstan DW, Barr ELM, et al. Television Viewing Time and Mortality. Circulation 2010;121:384-391
  • *3 MacDonald JM, Stokes RJ, et al. The Effect of Light Rail Transit on Body Mass Index and Physical Activity. Am J Prev Med 2010;39(2):105-112
  • *4 Patel AV, Bemstein L, et al. Leisure Time Spent Sitting in Relation to Total Mortality in a Prospective Cohort of US Adults. Am J Epidemiol 2010;172:419-429
  • *5 Noda H, Iso H, et al. Walking and Sports Participation and Mortality From Coronary Heart Disease and Stroke. J Am Coll Cardiol 2005;46:1761-1767

同友会メディカルニュース / 医療と健康(老友新聞)

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