栄養士連載 食事プラスワン

第15回 骨を丈夫に!

53歳のノリエさんはテレビで骨粗鬆症についての番組をみて、急に心配になり栄養相談を受けることにしました。その様子をのぞいてみましょう。

53歳女性 ノリエさん

この前テレビで女性は50歳くらいから骨密度がぐんと減るという番組を見て、心配になりました。閉経を迎えると女性ホルモンの分泌が急激に減って骨量も減少するんですってね。骨を丈夫にしたいので、カルシウムのサプリメントを試してみようかと思っていますが、どうでしょうか?

骨量の経年的変化

カルシウムをしっかりとることは大事なことですが、サプリメントに頼る前に、まずは今の食事の内容を見直してみませんか?ノリエさんは牛乳やヨーグルトを毎日とりますか?

栄養士

53歳女性 ノリエさん

あまりとらないですね。嫌いではないですが家族が食べないので買わないです。

成人の女性では、カルシウムを1日あたり650㎎(※1)とることが推奨されています。牛乳をコップ1杯とると220㎎摂取できます。1日に必要な量の1/3を摂取できるんですよ。
あと、牛乳にはカルシウムの吸収を助けてくれる特殊な性質のあるたんぱく質(※2)が含まれているのでとてもおすすめです。他にもカルシウムが多い食品や料理にはこのようなものがあります。

栄養士

  • (※1)日本人の食事摂取基準2010年版  18~69歳女性 カルシウム推奨量
  • (※2)牛乳中のカゼインというたんぱく質が消化されたときに生ずるカゼインホスホペプチド(CCP)はカルシウムの吸収を助けます。

カルシウムの多い食品・料理

53歳女性 ノリエさん

牛乳にカルシウムが多いのは知っていましたがコップ1杯でそんなにたくさん含まれていることは知りませんでした。私も毎日飲むようにしてみようかしら。牛乳ならコップに注ぐだけで手間がかからないし助かるわ。
家族にもすすめてみます。

さて、カルシウム以外にも骨のために大事なはたらきをする栄養素がありまして、その代表がビタミンDとビタミンKですが、ご存じですか?

栄養士

53歳女性 ノリエさん

う~ん?ビタミンCとかはよく聞くけど、DとKは知らないわ。

まず、ビタミンDはカルシウムの吸収を高め、カルシウムが骨に沈着するのを助けます。日常的に食べるものでしっかりビタミンDを摂取できるものは「魚」です。日本人はビタミンDの9割を魚からとっているんですよ。日頃からお魚を召し上がっていますか?

栄養士

魚

53歳女性 ノリエさん

家族の好みに合わせてメニューを考えているので、お肉料理が多くなっているかもしれないわ。お魚は体にいいと聞いていたけど、骨に関係のある栄養が含まれているのは知りませんでした。

53歳女性 ノリエさん

お魚料理を増やすことも骨を丈夫にするのに役立ちそうですね。
あと、ビタミンDは不思議な栄養素で食品から摂取するだけでなく日光にあたることで皮膚でも合成されます。適度に外出することも大事なんですよ。お庭やベランダで日向ぼっこをしたり、気分転換程度の軽い散歩などをするのもいいですね。

栄養士

53歳女性 ノリエさん

最近、膝が痛いのもあってあまり外出していなかったわ。そうだわ!家のすぐ近くに公園があるんです。そこならベンチもあって休憩できるし、買物のついでに行くようにしてみようかしら。

それはいいですね。
あと、ビタミンKですが、吸収されたカルシウムを骨に取り込むのを助けます。これも骨の健康に不可欠なビタミンなんです。ほうれんそうなどの緑色の濃い野菜や納豆に特に多く含まれます。

栄養士

納豆・ほうれんそう

53歳女性 ノリエさん

あら!納豆は一時、流行ってよく食べていたけど最近買っていなかったわね。こう考えると、少しの工夫でも骨のためになることってありますね。牛乳を飲んだり、日向ぼっこくらいなら私でもできそうです。あと、買物の時に魚や青菜を使うようなメニューも考えてみようかしら。

とってもいい考えですね。
今回紹介しました「牛乳やお魚、納豆」は骨を丈夫にする栄養素も含まれますがカロリーもありますから、とり過ぎに気をつけてくださいね。何事も量とバランスが大事ですよ。

栄養士

コラム

骨に関係する栄養素をサプリメントでとった方がいいかどうかは、詳しい食事調査や血液検査などできちんと調べてからでないとサプリメントが有効であるとはいえません。

たとえばカルシウムのサプリメントを利用することで、とり過ぎになると、他のミネラルの吸収を抑制してしまったり、心血管疾患のリスクが高まる可能性があることが報告されています。

サプリメントを検討する前に、まずは食事や生活内容での改善を考えてみてはいかがでしょうか。

骨量を維持するためにはカルシウムやビタミンDなど栄養素の適切な摂取の他、適正体重の維持(やせの防止)、禁煙、アルコールをとり過ぎないこと、適度な運動などが重要です。

注意
特に治療中の方は、食事量、調理方法など、必ず担当の医師や栄養士に確認し、指示に従ってください。

栄養バランスのよい食事とは

参考資料
日本人の食事摂取基準2010年版
日本食品標準成分表2010
臨床調理第5版
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版
栄養の基本がわかる図解辞典

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