栄養士連載 食事プラスワン

第17回 運動でカロリーを減らすには

ヒデタカさんは学生時代、野球部で活躍しました。最近はスポーツをしていませんが、いざとなれば、ジョギングを始めようと思っています。そんなヒデタカさんが健康診断でメタボを指摘され、栄養相談を受けることになりました。その様子をのぞいてみましょう。

男性 ヒデタカさん

健診でメタボリックシンドロームっていわれちゃいました。
人からよく食べるねって言われます。食べ過ぎなのかな。自分ではそんなことないと思うのですが…。

メタボリックシンドロームは過剰につきすぎた内臓脂肪が原因で、血糖値や血圧、中性脂肪が高くなっている状態のことをいいます。
その改善には食べ過ぎを防いだり運動不足を解消して、内臓脂肪つまり、体重・腹囲を減らすことがとっても重要です。ヒデタカさんは食べ過ぎを心配されているのですね。
よかったら昨日1日食べた物、飲んだものを教えてもらえませんか?

栄養士

男性 ヒデタカさん

いいですよ。昨日は行きつけの居酒屋に同僚と飲みに行きました。

昨日1日で食べたもの、飲んだもの

ありがとうございます。ヒデタカさんの年齢で、デスクワーク中心の方ですと一般的に、1日およそ2300kcalがちょうどいい摂取エネルギーと推測できます。(表1参照)
ヒデタカさんの昨日のお食事内容でエネルギーを計算しましたら約3300kcalになりました。

栄養士

男性 ヒデタカさん

1000kcalオーバーですか!よく飲みに行っているので、オーバーしている日が多いってことですね。
でも同僚と飲みいくのが楽しみなんですよね。じゃあ、飲み会の次の日は1000kcal運動で減らしますよ!
実は私、学生時代野球部でしてね。足腰には自信があります。まずは慣れるまで歩いて、慣れてきたらジョギングくらいならできるかな。

野球部でご活躍されたのですね。
体重や腹囲を減らすために運動することはとってもいいことですが、注意しておかないといけないことがあります。
ヒデタカさんは100kcal減らすために何分歩けばいいかご存じでしょうか。

栄養士

男性 ヒデタカさん

そうだねぇ。5分ってとこかな。

それが、実は30分歩いてやっと100kcal消費できる程度です。

栄養士

男性 ヒデタカさん

えっ!!
っていうことは、1000kcal帳消しにするためには300分だから5時間歩かないといけないってことですか?

その通り!

栄養士

男性 ヒデタカさん

ジョギングだったら歩くよりもずいぶんカロリーを消費するでしょう?どれくらいカロリーを減らせますか?

100kcal消費しようと思ったらジョギング15分間ですね。

栄養士

男性 ヒデタカさん

1000kcal減らそうと思ったらジョギング150分か。2時間30分!!!
いやー。まいったなぁ。運動でカロリーを減らそうと思ったら何時間もかかるなんて知らなかったよ。食べたり飲んだりする方を減らすことも考えないといけないな。

とっても大事な点に気づかれましたね!
そうなのです。「運動」のみの取り組みだけでは、消費エネルギーはあまり多くはないので、長時間運動しなければならなくなります。でも、逆に「食事」の取り組みだけでは筋肉量が減ってしまいます。
無理なく効果的に体重や腹囲を減らすためには「食事や飲み物の調整」と「運動量や活動量のアップ」の両方を併せて取り組むことが大切です。
ヒデタカさんの生活の中で無理なく改善できそうなことを一緒に探してみませんか?

栄養士

コラム

  • ・ヒデタカさんの食事内容では、夕食だけで1600kcalという1日の適量の2/3を占めるほどのエネルギーがあります。その中でも注目はアルコールのエネルギーが意外と高い点です。(アルコールだけで600kcal近く!!)アルコールの飲み過ぎにも注意しましょう。
  • ・体重や腹囲を減らしたい場合は『食べるもの・飲むものの調整』と『運動量・生活活動量の増加』の両方を併せて取り組みましょう。
    *生活活動:歩く、自転車をこぐ、家事(掃除など)、子どもと遊ぶなど。
    ただし、治療中の方は『運動や生活活動量の増加』の実施について医師に必ず相談し、指示に従ってください。

100kcalの目安

日本人の食事摂取基準2015年版より(表1)
推定エネルギー必要量(kcal/日)

性別 男性 女性
身体活動レベル 低い(Ⅰ) ふつう(Ⅱ) 高い(Ⅲ) 低い(Ⅰ) ふつう(Ⅱ) 高い(Ⅲ)
18~29(歳) 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30~49(歳) 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50~69(歳) 2100 2450 2800 1650 1900 2200

身体活動レベル別にみた活動内容と活動時間の代表例

日常生活の内容 低い(Ⅰ)生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合 ふつう(Ⅱ)座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは、通勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合 高い(Ⅲ)移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合
通勤・買い物などの移動や家事労働等へ費やす時間(1日あたり) 約100分 約120分 約150分
仕事中の1日あたりの合計歩行時間  約15分 約30分 約60分
注意
特に治療中の方は、食事量、調理方法など、必ず担当の医師や栄養士に確認し、指示に従ってください。

栄養バランスのよい食事とは

参考資料
糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版
日本人の食事摂取基準2015年版

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