同友会メディカルニュース

2012年8月号
高血圧のタイプ別心血管・脳血管疾患リスクについて

以前高血圧についてその診断基準や害についてお伝えしましたが、今回新たな研究結果が発表されましたので、ここにご紹介いたします。今回ご紹介する研究は、アジア太平洋地域の患者を対象とした大規模な研究で、高血圧のタイプ別での心血管疾患のリスクを調査したものです。

血圧は上の数字を収縮期血圧、下の数字を拡張期血圧と呼び、いずれかの数字が基準値140/90mmHgを超えた場合に高血圧と診断されます。

この研究ではまず対象人を血圧で、①前高血圧(120-139/80-89mmHg)、②拡張期血圧のみ高い、孤立性拡張期高血圧(<140mmHg,≧90mmHg)③収縮期血圧のみ高い、孤立性収縮期高血圧 (≧140mmHg,<90mmHg)と④収縮期・拡張期高血圧(≧140/90mmHg)の4タイプに分け、タイプ別に心血管イベントとして狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患や脳梗塞、脳出血の発生を調べました。
対象は実に約35万人。参加者の年齢は30-90歳で平均年齢48歳。女性41%を含むアジア太平洋地域のアジア人が78%を占めています。平均追跡期間7年で、心血管イベントは8,598例(2.5%)、冠動脈疾患は3,270例(0.9%)、脳梗塞は1,503例(0.4%)、脳出血は1,015例(0.3%)に発生しました。

血圧のタイプ別に解析したところ、表の様に心血管疾患のリスクは正常血圧にくらべて①群の前高血圧タイプで1.41倍、 ②群の孤立性拡張期高血圧タイプで1.81倍、③孤立性収縮期高血圧タイプで2.18倍、④群の収縮期・拡張期高血圧タイプでは3.42倍と明らかな上昇を認めました。冠動脈疾患、脳梗塞、脳出血のそれぞれでのリスクも全て同様の順に増大を認め、特に脳出血のリスクは血圧上昇に伴い非常に高くなることがわかりました。
なお、この結果は65歳未満で強く認められ、またオーストラリアやニュージーランドの白人よりアジア人での影響が強く認められました。

この研究から言えることは、高血圧ガイドラインでは至適血圧を120/80mmHg未満としており、この正当性が立証された形です。また我々アジア人は残念ながら高血圧に弱く、治療は65歳未満に開始するのが良いということになります。

高血圧は塩分摂取の多い現代人にとっては珍しくもなく、つい放置している方が多い病気です。しかしこの内容をみると、私も含めもっと自分の体をよく知り、大切に管理せねばならないと思います。

表1 血圧別心血管リスク (単位;倍)

  冠動脈疾患 脳梗塞 脳出血 心血管イベント
①前高血圧群 1.31 1.6 2.17 1.41
②孤立性拡張期高血圧 1.74 1.81 3.07 1.81
③孤立性収縮期高血圧 1.76 2.86 4.04 2.18
④収縮期・拡張期高血圧 2.47 3.99 9.26 3.42

Hypertension. 2012; 59: 1118-23.

高血圧のタイプ別心血管・脳血管疾患リスク

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