保健師コラム 小石川の健康散歩道

第50回
花粉症を乗り切るために

保健師 志村 麻衣子

毎年この季節、「鼻水が止まらない」「目がかゆくて集中できない…」という声をよく聞きます。花粉症は、花粉が体に入ることで抗体が作られ、何度も触れるうちに増えていき、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどの症状が出る“アレルギー反応”です。最近は増加傾向で、2019年の花粉症有病率は 42.5% と報告されています。

花粉症有病率

出典:松原篤 他 日本耳鼻咽喉科学会会報123-487 図2(許可を得て改変)

花粉症の辛さを軽くするコツは、「花粉を入れない・持ち込まない」こと。
外出時は マスク を顔にフィットさせて着用し、可能なら 花粉症用メガネ もプラス(目に入る花粉量が減るデータもあります)。帰宅後は衣類をはらう、うがい・洗顔で、花粉を早めに落としてあげましょう。換気は窓を全開にせず 10cm程度、レースカーテンの活用もおすすめです(下記のチェックリストも参考にしてみてくださいね)。

花粉症対策チェックリスト
1 マスクの着用 吸い込む量を減らすことで、鼻の症状を軽くする効果が期待できます、顔にフィットするものを装着しましょう
2 メガネの着用 保護カバーのついた花粉症用メガネで約65%も目に入る花粉量が減少するデータもあります
3 うがい のどに流れた花粉を除去する効果があります
4 洗顔 丁寧な洗顔で目や鼻の周囲の花粉を落とします
5 衣服の種類・帰宅時にはらう ウール製よりも木綿や化繊の方が花粉が付着しにくいです
6 換気・他 窓は全開にせず10cm程度にし、レースカーテンを使用することで花粉の侵入量を減らせます

受診にあたって

そしてもうひとつ大事なのが、“早めの治療”です。毎年症状が出る方は、本格的な花粉飛散開始の1週間前までを目安に、医療機関や薬局でお薬を準備し、軽い時期から使い始めると症状を抑えやすいことがわかっています。これまで花粉症と診断されていない方も、花粉症らしい症状が出たら早めに受診しておくと安心です。

治療方法

治療は、内服・点鼻・点眼などで症状を抑える方法が基本です。体質改善を目指す アレルゲン免疫療法(舌下/皮下) という選択肢もあり、花粉の飛んでいない時期に始めて数年続ける必要があります。迷ったときは、医師に相談してご自身に合う方法を一緒に選んでいきましょう。

医療機関探しには、厚労省の検索サイト 「医療情報ネット(ナビイ)」 も活用できます。

受診する時間がないときに・・・

花粉症で目がかゆくて、鼻水も止まらなくて、辛い! 仕事が立て込んでて忙しいのに、仕事に集中できない! でも、平日は仕事ですぐに受診する時間がないよ…。ということもあるかと思います。

そこで、医師の処方せんがなくても、薬局・薬店で購入できる一般用医薬品である、スイッチOTC(Over The Counter Drug)医薬品の活用はいかがでしょうか。

スイッチOTC医薬品は、元々は医師の処方が必要な医療用医薬品として使われていた成分を一般用医薬品に転用(スイッチ)されたものです。

使用には、注意点もありますので、下記を参考に利用してみるのも一つかと思います。

  • 注意点1)購入時に薬剤師に相談しましょう
  • 注意点2)症状が改善しない場合は医療機関を受診してください。
  • 注意点3)持病のある方、他の医薬品を服用中の方、妊娠・授乳中の方、
    高齢者は慎重な判断が求められますので、医師にご相談しましょう

セルフメディケーション税制をご利用の際は、対象医薬品を購入した際の領収書等を自宅で5年間保管をしてください。詳細は、国税庁のホームページでご確認をお願いします。

<参考>
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kafun/dai4/sankou.pdf、厚生労働省、花粉症対策スギ花粉症について日常生活でできること 厚生労働省.セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について

同友会メディカルニュース / 医療と健康(老友新聞)

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